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電子カルテ導入記 1 電子カルテを導入しようと考えています。電子カルテ導入に関する奮戦記です。継続的に更新を予定しています。 1 電子カルテの導入動機 平成10年の春に、加療中の緑内障患者さんが半年間来院せず、来院したときには片眼が、眼圧が30、視力が手動弁の状態になっていた事故がありました。患者さんが必要な定期的経過観察、加療を受けなかったことの責任の所在は、患者さん個人にあるとともに、診療に当たっていた私にもあると考えております。このような事故を未然に防ぐためには、自動化された患者さんの管理が不可欠だと考えられます。患者さんの管理システムの構築です。現在用いている診療報酬計算用コンピューターの情報を管理システムに流用しようとしたのですが、流用はできても運用上かなりの負担(通常業務外の処理が必要)を覚悟しなければならないことがわかりました。とても自動化された患者さん管理にはならないとの判断で、柔軟性の高いシステムの導入を決意しました。 2 電子カルテに向けての最初の行動 平成8年9月13日から画像記録を長期にわたり即時に利用可能にするため、また、患者さんに対して画像記録を容易に提示するため、サンコンタクトの画像ファイリングシステムを導入しております。このシステムに関しては、操作が容易で、短時間で扱え、通常業務の中にとけ込んだ形で何のストレスもなく使えるので、大変高く評価しております。このシステムが成功しているのは今でも画像のファイリングに特化したからだと考えております。2年8ヶ月にわたり画像をファイリングしてまいりましたが、すでにこの部分は情報が集積されており、電子カルテの一部として使える形になっております。 3 電子カルテに向けての直接のきっかけ 平成10年12月2日に九州の属 佑二先生の診療所にお邪魔しました。このとき属先生の使ってらっしゃる医療会計用コンピューターが作動が遅く、買い換えを考えている話がでました。業者が電子カルテと思われるシステムを提案しておりました。これは、設計段階のものを提案しており、医療会計用コンピューターの部分以外は、工数など実際の費用見積もりがなく、完成したところから順次導入していくという提案でした。この業者の提案が、的確であるかどうか判断を求められましたが、私には判断ができませんでした。実働していないシステムを前提に、その一部を購入するというのは冒険です。そこで、サンコンタクトの大川君に診療所レベルで電子カルテに近いシステムを運用しているところがあるか聞いてみました。大川君は両国眼科のメディカルデータリサーチ(MDR)のPOM system(point of medication system)の見学を勧めました。 4 両国眼科の見学 これは、両国眼科の見学報告に書いています。このとき属先生とご一緒したのですが、平成11年4月医院移転予定であった、香川県の眞鍋先生もご一緒しました。先見性の高い眞鍋先生は開院とともに、両国眼科のシステムの眞鍋眼科バージョンを使ってらっしゃいます。 5 Oracle8 Workgroup Server R8.0.5 の勉強 両国眼科のPOM systemはOracle8 上に載っているapplicationなので、POM systemを理解するためにはOracleを理解する必要があります。このため、まず1月29日に両国眼科を見学する前日Oracleの解説書を買い込み一夜漬けしました。これで、MDRの楊先生、安部先生と話を合わせることはできたのですが、(とんちんかんな問いに話を合わせていただいていたのかもしれませんが)いざこのシステムを自分の診療所に導入するとなると、もう少し深い理解が必要となります。 そこで、4月9日大阪の日本橋の電電タウンに中古のPCを買いに行きました。5万円でMMX PENTIUM233、7万円出せばPENTIUMII266の新古品が手に入るということで、出かけたのですが、ついついいつものショップに行って、Tekramのmother board 400MHz Celeron, 10Giga IBM hard disc, memory, FDdirve, CDdriveを9万円で買って帰りました。 できるLinux サーバー構築編、Oracle8 Linux版トライアルキットで自宅のLANにつなげて、Server Client 環境で Oracleを実際に体験することとしました。トライアルキットでうまく動作したので、3月18日に発売になったOracle8 Workgroup Server R8.0.5 for Linus 製品版を大枚8万いくらで購入し(NT版は定価22万円でLinux版は導入期で9月30日まで定価9万8千円です。)試してみたのですが、instollだけで大変でした。Oracle8 Workgroup Server R8.0.5 for Linusトライアルキットはよくできていて、ソフト自体も手を加えられていて動くようになっているのですが、製品版は からの情報の助けを借りなければinstoleできない状態でした。まさしくUnix 上のOracleですから、速いのは速いらしいですが、Unixの知識が要求されます。私の場合、さらに家庭教師(電話によるサポート3時間)、塾通い(Oracle研究会への参加、4時間1回)が必要でした。 今は、LAN上のWinからtera term proでLinuxを, SQL*PlusでOracleを動かすとともに、 AccessをODBCで, Excel, Visual BasicをOLEでOracleに接続し動かしております。Linux machineのディスプレイははずしました。Oracle8パワフルテクニック大全集なる本を買い込み試していますが、試すほどにOracleのすごさ、POM systemのすごさを実感している昨今です。 6 丸尾眼科の見学
7 杏林大学アイセンターの見学 MDRの仕事の確認に杏林大学アイセンターの見学に行って来ました。2 NT Server, one Linux Server, 40 Win and Mac clientの混在環境LANを受注一月で使用可能な状態まで持ち込む能力に、再度MDRの実力を確認することができました。 8 現在の状況 5月1日に当院の現状を把握してもらいに、MDRの楊先生、安部先生に来院してもらいました。私のテーマが高度の医療を手軽にですので、診療所は二人の医師の診療室、外来手術場、コンタクトレンズのスペースを含めて60坪と狭いスペースを最大限に利用するように設定されています。サーバークライアントシステムを導入する際に私が一番気にしているのは、サーバーの保全環境と音の問題です。サーバーをいい状態に保つのには十分な冷却が必要です。狭い診療所では冷却ファンの騒音問題が深刻です。これにたいして商品としての良い回答が得られるかどうか、見てのお楽しみというところでしょうか。
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