藤田眼科見学記
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藤田眼科見学記


2000年1月22日 徳島県徳島市の藤田 善史先生の診療所を拝見して

きました。

レセコンデータの再利用、画像ファイリングシステム

サンヨーメディコムのレセコンの H-P unix 上の 患者さんのdataを Linux

Samba 画像ファイリング Server で再利用できるように設定されていました。

レセコン部分は 1 Server 4 Client で、data の再利用のため、H-P unix 機を

選択したそうです。

画像ファイリングシステムはサンコンタクトレンズの MEDINETで

Linux Samba Server は RAID5 で 毎日夜間の tape backup で full backup

しており、電源も2系統もち、それに無停電源が付いていました。

Fujita01.jpg (117419 バイト)

Internet Web Server には FreeBSD が使われており、3種類の unix が平行

して動いていました。

職員の出社、退社の time recorder に IP address, データ送り先の

IP address が記載されているのを見て、給与計算も自動化されているのだと

納得させられました。さすがに、情報管理専門の職員を一人雇用されている

眼科という感じでした。

レセコンデータ入力に関する工夫

誰がどのデータを入力したのかが特定できなければ、入力の間違いが起

こったときの責任の所在が曖昧になり、ひいては職員のモラルの低下を来す

ことになります。入力の client を固定すれば、起動時に log in した職員の

入力ということになりますが、流動性がなくなり、人的リソース消費に無駄が

生じます。これを紙カルテを使って解決していました。入力者それぞれに色が

決まっており、入力後に色鉛筆で紙カルテにチェックするのです。サインよりも

簡単で、簡単であればあるほど、間違いが少なくなります。チェックし忘れが

少なくなります。

画像ファイリングシステムの利用方法

利用法として便利だと感じたことは、身体障害者の等級など、たまにしか必要

ではないが、患者さんに聞かれたときに、すぐに正確に応えてあげたい情報

を、スキャナーで画像ファイリングシステムに保存していたこと、緑内障の

視神経所見と、視野欠損を対比して患者さんに見せてあげることができるよう

な設定になっていたこと、一回の蛍光眼底写真数枚をまとめて一つのサムネイル

として表示していたことでした。

病歴管理システム

紙カルテの保管方法は、EG ディジットシステムで、terminal degit system が

下二桁で100分割保存するのに対して、このシステムは二桁目と三桁目で100

分割する様な設定となっています。この方法では、初診患者さん10人は続け

て同じ色のラベルが使えるという利点があります。これが、terminal degit 方式に

対する利点のようです。

患者さんの来院順を示す札は、園芸用の花の名前を記載するカードで幅1cm

長さ 3cm程度のモノを、色つきのラベルを挿入する場所に差し込んで使ってい

ました。じゃまにならず、固定もしっかりしており、当科でもすぐに利用させていた

だこうかと考えています。

診察券入れがない受付

受付には診察券入れがありません。来院した患者さんの診察券を直に手で受け

取るようにしているとのことです。来院された時点で、診察なのか、薬剤投与のみ

を希望されているのか、あるいは、眼鏡のフィッテング調整を希望されているのか

を把握し、無駄な待ち時間を作らないための設定だとのことでした。

Fujita2.jpg (114308 バイト)

初診の患者さんには、入室された時点で、受付の方からこちらが受付ですと声を

おかけするのだそうです。私は好きでいろいろな診療所を拝見しに行くのですが、

受付に話を通さずにしばらく診療所の様子を見ているのが好きです。このとき、

受付の方から声をかけられたことはまずありません。よほど患者さんのことを意識

し続けるトレーニングをしないと、なかなか難しい業務のように感じます。職員

に受付業務を担当したときの話を聞いたところ、やはり、常に待合室の患者さんに

気を配りつつ、事務的作業をすると話していました。患者さんに対する意識を常に

刺激し続けるような環境があるのだなと感じました。